子供のころの印鑑

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家のタンスの引き出しの中に、銀行・郵便局の預金通帳とセットになって入っていた「印鑑」。

当たり前のことですが、小さい頃、タンスの引き出しの中の銀行・郵便局と「印鑑」にさわろうとすると、
よく怒られていたものです。

なぜ、「印鑑」にさわろうとすると、怒られるんだろう…。
まだ預金通帳と「印鑑」の大切さがわかっていなかった小さなワタシは、
子ども心に「印鑑」にあこがれていたものです。

「いつか、自分の印鑑を」、と。

何度もタンスの引き出しに手を伸ばすワタシを見かねたご両親は、
ある日、ワタシに「子ども銀行券」と、「シャチハタ」でした。

「やったあ。これでボクも、印鑑が使える。」

「子ども銀行券」はお母さんが預かることになり、ボクがほしいものを買いたい時にだけ、
紙におろしたい金額をかいて、「シャチハタ」を押す、それの繰り返しでした。

もちろん、ほしいものを買う時は、まさか「子ども銀行券」では買えないので、
お母さんは、ボクが「子ども銀行券」にかいた金額よりも、
いつも二けたほど少ないおこづかいを、ボクに渡してくれたものでした。

ボクは、銀行・郵便局の窓口で、「印鑑」を朱肉につけてから、お金をひきおとさなければいけないご両親の姿を見ると、
わざわざ朱肉につけなくとも、朱肉いらずで捺印できる「シャチハタ」を使っていると、
「えっへん、ボクのシャチハタの方が、印鑑より便利だぞう。」
と、優越感にひたっていたものです。

まあ、「子ども銀行券」とはいえ、さすがに引き落とすたびに預金は減っていくので、
金銭感覚を養う素晴らしい機会だったと思っています。

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